50】子宮癌: ₀₁₎子宮頸癌(初期症状)、子宮体癌(必要な方)、検査法、結果

子宮頸癌(初期症状)、子宮体癌(必要な方)、検査法、

子宮癌には、子宮頸癌と子宮体癌があります。
子宮頸癌:子宮頸部にできます。20~30~40才の様な若い方に多いです。
子宮体癌:子宮体部にできます。更年期以降の方に40~50~60才以降に多いです。

普通に「子宮癌検査」というと、細胞診を行います。
細胞診では、子宮頸部や子宮内膜の表面を擦って細胞を採取して、顕微鏡で癌細胞の有無を検査します。

 

 

【子宮頸癌】のできる場所
初めは子宮頸部の上皮(薄皮内)にできます。進行すると奥の筋層内に次第に浸潤していきます。

検査方法:
綿棒やヘラ(サイトピック)やブラシで子宮頸部の上皮を擦って、細胞を採取し、ガラスの上の擦り付け、顕微鏡で癌細胞の有無を検査します。

 

 

【子宮体癌】のできる場所
初めは子宮体部の子宮内膜にできます。進行すると奥の筋層内に次第に浸潤していきます。
子宮体癌は子宮内膜にできるので、別名、子宮内膜癌とも言います。

検査方法:
子宮内に細いブラシを挿入して子宮内膜を擦って、細胞を採取し、ガラスの上に擦り付け、顕微鏡で癌細胞の有無を検査します。
稀にブラシが挿入しにくいことがあります。その場合はその日は無理をせず、後日、再度挿入を試みます。

 

 

細胞診の結果:
2週間後には出ています。電話で結果を聞いても良いし、来院していただいても良いです。
結果に詳しい説明が必要な場合には電話では説明しきれないので来院していただくようになります。

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?子宮頸癌の初期症状:
超初期では無症状です。少し進行して来ると、初期症状として性交後出血が起こります。
子宮頸癌は、子宮頸部の上皮の中にできます。つまり性交してぶつかるところにできるので、初期症状として性交後出血が起こります。

 

子宮体癌検査が必要な方:
閉経後の不正出血がある方
超音波検査で子宮内膜が異常に厚い方(特に閉経後の方で)
その他、子宮体癌になりやすい方。(肥満、未産婦、糖尿病のある方)

 

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60】不妊: ₀₈₎精液検査、精液検査不良の方の対策

精液検査の方法

精液採取用容器予め病院でお渡しします。
禁欲期間2日~5日(長くても7日以内)
精液採取
自宅でマスターベーションで採取します。病院のトイレで採取していただいても結構です。
✖「コンドーム使用して採取」は禁です。コンドームに精子運動性を阻害する薬が含まれているので。
✖「性交して、中断して精液採取」も結果が不正確になります。
精液持参:容器を下着の下等に入れて、保温又は熱気から守りながら、1時間以内に持参してください。(遅くても2時間以内に持参してください)(診療時間内にご持参ください)
1回の精液検査の結果が不良でも、1回だけの検査では不良と診断しません。2~3回検査して不良なら不良と診断します。
                                                                   【今日の不妊診療】’13、鈴木秋悦 

 

精液
基準値(正常値):(WHO基準値,2010)
✿精液量:1.5ml以上
pH: 7.2以上
精子濃度1500万匹/㎖以上・・・・・1㎖中に精子が何匹いるかCheckします。
✿総運動率(元気良く動いている精子の割合):40%以上
✿前進運動率(元気よく前進している精子の割合):32%以上
✿白血球100万個/㎖以下・・・・・・・白血球が多いと、睾丸炎や精嚢炎の可能性があります。

 

精液検査をします。

正常精子・・・・・上記の基準値(正常値)を満たしたもの。精子の数は多く、元気に動いている運動精子の割合も多いです。

 


乏精子症・・・・・精液量は出ていますがが、その中に精子の数が少ないです。(精子減少症ともいいます)・・・漢方薬で改善することがあります。


精子無力症・・・精子の数は正常ですが、運動精子(元気良く動いている精子)が少ないです。運動精子の割合が少ない。・・・漢方薬で改善することがあります。


奇形精子症
・・・形の悪い奇形精子が多い。


無精子症
・・・・・精液は出ていますが、その中に精子が全くいない

 

膿精液症・・・・精液中に白血球が多い、睾丸炎や精嚢炎がある。・・・感染症の検査をしたり、抗生物質投与等をします。

 

乏精液・・・・・出る精液が極端に少ない。

等の異常がみられることがあります。

 

 

精液検査が不良の方

乏精子症や精子無力症の場合では、
漢方薬(補中益気湯,八味地黄丸)やカルナクリンを2~3か月服用して改善することがあります。

②妊娠しない場合は、夫の精子を使った人工授精を数回行います。
③人工授精でも妊娠しない場合、極端な乏精子症や精子無力症の場合は、体外受精をします。

≪体外受精≫

排卵直前の卵巣から、超音波を見ながら卵を採卵します。

その卵と精子を同じ容器に入れます。

 

精子が透明帯を貫通して卵に侵入して受精します。受精するとすぐに分裂が始まり、24時間後には2分割(2細胞)、2日後には4分割(4細胞)になります。
2日目の4細胞期の受精卵を子宮に戻します。4~5日目後まで育て胚盤胞になった受精卵を子宮内に戻すこともあります。

 

 

≪顕微授精≫

★顕微授精は通常の体外受精より更に1歩進んだ手技です。

★卵と精子を同じ容器に入れておいても受精しない方は、顕微授精を行います。精子を1匹捕まえて、針状に先端の尖ったガラス管の中に入れます。顕微鏡で見ながら、卵の中に針を刺入し精子を注入します。受精するとすぐに分裂が始まり、24時間後には2分割(2細胞)、48時間後には4分割(4細胞)になります。

 

 

 


無精子症の場合でも、体外受精できます。
★その手技(Technic)を精巣内精子採取術(Testicular sperm exttaction)TESEといいます。
★精液検査で精子が全くいない無精子症であっても、睾丸の中に将来精子になる予定の未熟な精子(精巣内精子)がいる事が多いです。
★夫の睾丸から数ミリ角の組織を削り取ります。
★その組織の中から精巣内精子を採り出します。
★精巣内精子は未熟な精子の為、透明帯を貫通する能力が無いので自然には受精しないので、上記の顕微授精を行います。。

 

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