妊婦様とインフルエンザ
妊婦様や産後2週間以内の方がインフルエンザにかかると重症化し易く入院のリスクが大きくなります。入院のリスクは一般の人と比べて、妊娠初期の感染で1.4倍、妊娠中期の感染で2.6倍、妊娠末期の感染で4.7倍に増えます。
又妊婦様がインフルエンザに感染すると、流産、早産、低体重児、胎児死亡が増えます。
インフルエンザのワクチンは、妊婦様に安全であり重症化を防ぐのみ最も有効は方法です。
妊婦様がインフルエンザワクチンをすると、インフルエンザの免疫が母体中にできます。それが胎盤や母乳を通して胎児や新生児に移行するので、新生児~生後6か月までの児のインフルエンザ感染を減らします。
生後6か月未満の児にはインフルエンザワクチンができないので、妊婦(母体)がインフルエンザワクチンをすることは児の感染予防になり有益です。
インフルエンザワクチン接種後、免疫ができるまでに2~3週間かかります。ワクチンの効果は3~4ヶ月です。インフルエンザの流行は毎年1月~3月なので流行前の11月~12月にインフルエンザワクチンをします。流行中に遅れて慌てて接種しても意味なくはありません。
妊婦様や産後2週間以内の方が、インフルエンザに感染た人に濃厚に接触した場合に感染予防の為にインフルエンザ薬(タミフル内服、イナビル吸入、リレンザ吸入)を使って重症化を防ぐことがあります。予防投与の場合は保険がきかず自費ですが。
妊婦様や産後2週間以内の方がインフルエンザに感染した時、タミフル内服、イナビル吸入、リレンザ吸入のいずれかを行います。妊娠中や授乳中でも使えます。症状が2~3日で早く良くなります、又重症化を防ぎます。
薬の添付文書(効能書き)には「インフルエンザ薬は母乳中に出るので授乳を避ける様に」と書かれていますが、実際には母乳中に出る量はごく少量なので授乳は差し支えないとする公式文書が有ります。
ガイドライン産科編’17、 国立成育医療研究センターHP
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