60】不妊: ₁₆₎体外受精(顕微授精)の手順。

体外受精(顕微授精)の手順
顕微授精は、卵細胞質内精子注入法(IntraCytoplasmic Sperm Injectin、ICSI)とも言います。

通常は、採卵して採取した卵を精子と一緒に一つの容器に入れておくと、1匹の精子が卵の周囲の透明帯を突き破って卵に侵入し受精卵ができます。
         

卵を精子と一緒に一つの容器に入れておいても、精子が卵に侵入せず受精卵ができない場合、顕微授精を行います。


顕微授精が必要な方:

受精障害,
採卵して得られた卵を精子と一緒に一つの容器に入れておいても受精しない場合、受精能力が無いと言います。(精子の総数、運動精子数は良好で、一見正常そうにみえる精子でも、精子が卵に侵入しない、受精能力が無いということもあります)。
精子症(精子の数が極端に少ない)。受精障害が起こりやすいです。
精子無力症(精子の総数はいるが、元気良く動いている運動精子が少ない)。受精障害が起こりやすいです。
精子症(精液中に精子がいない)。その為睾丸の一部を少し削り取って、睾丸内にある細胞(将来精子に成長していく予定の未熟な精子、精巣内精子)を採って来ます。精巣内精子は未熟の為、まだ精子の尻尾も生えていなく、自然の状態では受精能力が無いので、卵に強制的に注入して受精卵をつくります。この方法を精巣内精子注入法、TESE(Testicular sperm extraction)とも言います。

 

「顕微鏡で見ながら、卵に精子1匹注入して受精卵を作る」、これ以外の方法は、通常の体外受精と同じです。卵巣刺激(排卵誘発法)、採卵法、受精卵の培養法、受精卵の移植法等、は通常の体外受精と同じです。

【初めての不妊治療】’12,小冊子,日本IVF学会監修,メルクセロノ、         【今日の不妊診療】’13
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