60】不妊: ₀₆₎不妊治療の流れ

不妊治療の流れ
基礎体温測定
基礎体温を少なくも1~2カ月つけていただき、排卵の有無、排卵の良し悪し、排卵日はいつ頃かを調べます。

超音波検査
子宮と卵巣の大きさや形を調べます。又卵胞の発育を見て排卵日を予測します。
採血(ホルモン検査)
生理中または生理直後に採血して検査します。LH(黄体化ホルモン),FSH(卵胞刺激ホルモン),PRL(乳汁分泌ホルモン),E₂(女性ホルモン)、T(男性ホルモン)、TSH(甲状腺刺激ホルモン),FT₃(甲状腺ホルモン)、FT₄(甲状腺ホルモン)を調べます。AMH(抗ミューラー管ホルモン)を調べます。
性感染症(クラミジア、淋菌)の検査
クラミジアや淋菌がいると卵管通過障害、卵管周囲の癒着等起こすので検査します。
子宮卵管造影
子宮内の形や卵管の通過性(卵管の閉塞が無いか)検査します。子宮卵管造影検査をすると卵管の通過性がよくなり検査後6か月以内に妊娠することが
多いです。
頸管粘液検査
排卵日の2~3日前から急に増加し、排卵後は急に消失します。頸管粘液が増えてくると排卵が近いことがわかります。
性交後精子上昇試験(フーナーテスト):
頸管粘液が増えてきた時に性交して翌日来院していただきます。
正常の方は性交後、精子が頸管粘液中に上昇し頸管粘液中に多数入ってきています。精子が入ってきていないと、「精子はいるのだが入って来られないのか?」「精子がいない為に入ってないのか?」の2つの場合を考えます。
✿頸管粘液中に精子が上昇してきていない場合、無精子症の可能性も考えて、精液検査が必要になります。
✿精液検査は正常なのに、性交後精子上昇試験が悪い方(性交後、精子が頸管粘液に入ってこない方)は、ご主人に容器に精液を採っていただきそれを注射器で子宮の中に直接注入する人工授精を行います。

 

 

Step1:タイミング指導(タイミング療法)
来院していただいて排卵日を予測して性交のタイミングを指導する。
1).基礎体温で、排卵日を大体予測します。
2).卵胞径を測定して、排卵日を予測します。(かなり正確に予測できます)
3).尿中LHを測定して、排卵日を予測します。(かなり正確に予測できます)
4).子宮内膜の厚さや状態を観察して、排卵日を予測します。(かなり正確に予測できます)
5).頸管粘液の量や性状で、排卵日を予測します。(やや正確に予測できます)
タイミング指導を、20代の方は6か月間、30代の方は3~4月間位行なって、妊娠しなければ次のStep2に進みます。
特に35才過ぎた方は年齢的なTime Limitが迫ってきているので早めにStep Upします。
タイミング指導をしている間に前記の①~⑦の検査を順次行います。

Step2:排卵誘発+タイミング指導(タイミング療法)
排卵誘発剤には、内服薬と注射があります。
1)内服薬を服用して、タイミング指導します。
2)内服薬では排卵が悪い場合は、内服薬と注射を併用します。又内服薬で、「頸管粘液量が少なくなったり、子宮内膜が厚くならない」方は、内服薬と注射を併用して頸管粘液量を増やし子宮内膜を厚くして、タイミング指導します。
排卵誘発+タイミング指導を、20代の方は6か月、30代の方は3~4か月間位行なって、妊娠しなければStep3に進みます。

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Step3:排卵誘発(内服薬、注射で排卵誘発)+人工授精(精子を洗浄濃縮して子宮内に注入する人工授精)
排卵誘発+人工授精を、20代の方は6か月、30代の方は3~4か月間位行なって、妊娠しなければStep4に進みます。

Step4:体外受精(ART: Artificial Reproductive Technology)
体外受精の成績。下図を2回クリックすると大きな図になります。(ダブルクリックではなく2回クリック)

 

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