子宮頸管無力症
妊娠中期(5か月)以降で、自覚症状が無く、気付かないうちに、子宮口が開いていることがあります。
子宮口が開いているかどうかは、内診や超音波で診察します。
下図の様に、子宮口が閉じていて、頸管長が30㎜以上あると正常で、早産しそうではありません。
妊娠5か月の頃に、
①内診して子宮口が開いていないか、Checkします。
開いてきていると早産する危険があります。
②経膣超音波で、頸管長(子宮頸部の長さ)も計測します。
頸管長が20~25㎜以下に、短くなっている(内子宮口が開いている)場合、外子宮口が閉じていても、そのうちに子宮口が開いてきて、早産する危険があります。
①子宮口が開いていたり~
②頸管長が短い場合、
早産する危険があるので、症状に応じて、a)からe)と進めていきます。
a)安静加減、
b)自宅安静、
c)服薬して安静、
d)入院して点滴、
e)子宮頸管縫縮術(子宮の出口を縛る手術)を行います。
頸管無力症では、
頸管無力症の場合は、早産の症状がそれほど強くなくても、いきなり早産することがあります。
頸管無力症の場合は、子宮口を縛る手術をすると、ほとんどの方が、通院で入院をせずに、正期産まで達します。(異論もありますが)
子宮口を縛る手術(子宮頸管縫縮術)には、妊娠5か月の頃の妊娠の月数が進んでいない時期に縛るシロッカー法と、妊娠7か月以降に妊娠が進んでから縛るマクドナルド法があります。
★シロッカー子宮頸管縫縮術は、膣の突当りを切開して、さらに奥(上方)で子宮頸管を縫縮します。妊娠5か月までの、妊娠の月数があまり進んでいない時期に行います。子宮頸管を縫縮する力は強いです。
★マクドナルド子宮頸管縫縮術は、妊娠の月数が既に進んでいる時期に行います。膣の突当りで子宮の出口を縫縮します。マクドナルドの方が手術は簡単です。出血も極々少量です。子宮頸管を縫縮する力はシロッカーより若干弱いです。
両方とも当院で行います。手術は10~15分位で終わります。付き添い不要です。3~4日の入院となります。
ガイドライン産科編’14、 ACOG,’14.2.
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