低置胎盤、辺縁前置胎盤、全前置胎盤
②~④の(胎盤の位置異常です)(胎盤の位置が低かったり、胎盤が子宮の出口を覆っている状態です)
①正常の胎盤(正常の方):胎盤は子宮の出口(内子宮口)から離れていて、子宮の奥の方に付着しています。
赤ちゃんが生まれた後に、5分~10数分後に、胎盤が自然に剥がれて出てきます。
②低置胎盤:胎盤の位置がやや低く、胎盤の下縁が子宮の出口(内子宮口)に近く、子宮口からの距離が2㎝未満しかない場合。
✿経膣分娩だと少し多くなります。輸血がすぐできるように準備をしておいて、帝王切開することが多いです。
③辺縁,前置胎盤:胎盤の位置が低く、胎盤の辺縁が子宮の出口(子宮口)に接している場合。
✿経膣分娩だと出血が多くなります。輸血がすぐできるように準備をしておいて、帝王切開で娩出します。
④全、前置胎盤:胎盤の位置が低く、胎盤が子宮の出口(内子宮口)を完全に全部覆っている場合。
✿胎盤が子宮の出口を覆っているので、赤ちゃんが出て来られません。輸血がすぐできるように準備をしておいて、陣痛発来前に、帝王切開で娩出します。
✿全前置胎盤では、妊娠後期になると、突然の大出血が起こる事があり、急に入院や帝王切開が必要になることがあります。突然の大出血が起こる時期がまだ早産や未熟児の時期なので、その時は未熟児センターがある産婦人科で妊娠,分娩管理が必要になります。その為、あらかじめ(妊娠31週迄には)大学病院等に紹介します。
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胎盤の位置の診断は妊娠24週以降に行ないます。
妊娠の早い時期では、正常の方でも前置胎盤の様になっています。経過を見ているうちに、妊娠週数が進むにつれて、妊娠24週頃迄には、胎盤の位置は上方に少しずつ移動してほとんどの方は正常になります。
妊娠24週に胎盤の位置がなお少し低い方は、(24週以降であってもまだ少しは胎盤の位置が移動して正常に近づくこともあるので)、胎盤の位置が正常になるのか注意深く変化を観察します。
妊娠30~31週になってもまだ低置胎盤、辺縁前置胎盤の方は、そろそろ輸血の準備を考えたり(帝王切開は妊娠37週以降にするのですが)帝王切開の準備をします。
全前置胎盤では、妊娠後期になると、突然の大出血が起こる事があり、急に入院や帝王切開が必要になることがあります。突然の大出血が起こる時期がまだ早産や未熟児の時期なので、その時は未熟児センターがある産婦人科で妊娠,分娩管理が必要になります。その為、あらかじめ(妊娠31週迄には)大学病院等に紹介します。
【胎児エコー,スクリーニングから精密検査迄】’12 【産婦人科研修の必修知識’13】, 【ガイドライン産科編’14】,
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