37】避妊、 ₀₂₎Pillの説明(簡易版)

Pill、取敢えずこれだけ知っていれば間に合います。

【基本はこれだけです】
①新たに服用開始する場合は、月経1日目からPillを1日1錠服用開始します。その後は、
3週間服用+1週間休薬、3週間服用+1週間休薬、を繰り返します。休薬中に月経が来ます。

大体いつも同じくらいの時間に服用します。
Pillをやめたければいつ中止してもOKです。再開したくなったら再び月経1日目から新しいシートを服用開始します。
1シートには3週間分(21錠)が入っています。

 

【Pill飲み忘れの場合】
飲み忘れが1回(飲み忘れ24時間未満)なら、気づいたときにすぐに1錠服用、その後はいつも通りに服用。

飲み忘れが2回以上(飲み忘れが48時間以上)なら、そこでPill服用中止。服用を中止すると2~3日で月経が来ます。月経が始まったら月経1日目から新しいシートを服用開始します。
 

 

【服用中、疑問点あったら】
当院に電話して相談してください。

 

【Pillでの失敗率】
きちんと服用していれば1年間で0.1%(1人/1000人中)、実際には飲み忘れがあるので実際の失敗率は5~9%(5~9人/100人)です。
ひどい下痢が続いている時は、腸からの薬の吸収が悪くなって失敗率が上がるので、ひどい下痢開始後1週間位はコンドームの併用を考えます。

【Pill服用開始前、服用中の検査】
服用開始前に問診、超音波で子宮や卵巣をcheck、子宮癌検査、尿検査、血圧、
服用中は6か月毎に、尿検査、血圧、(血液検査)
服用中は1年毎に、超音波で子宮や卵巣をcheck、子宮癌検査、尿検査、血圧、

【Pillのもらい方】
服用開始の最初だけ、1か月分、2か月分だけの処方して様子をみます。以降は3~6か月分でも希望の分だけまとめて処方します。
検査の無い月でしたら、診察なしでPillだけでも受付でお渡しします。

【Pill費用】
基本1か月分3000円です。
当院では、数ヶ月分まとめて持って行かれると、割安になります。
ジェネリック(コピー医薬品、後発医薬品)なら約1割安く処方できます。

 

【Pillの副効用、Pill服用していて起こる良い事柄】
生理痛が軽くなります。
月経前緊張症の症状良くなる事が多いです。
過多月経の方は月経量が減って楽になります。
月経が毎月規則正しく来ます。月経不順の治療として服用することもあります。
子宮内膜症の治療や予防になります。
にきび:マーベロンというPillを服用するとにきびが良くなります。
卵巣癌、大腸癌、子宮体癌は減少します。

 

【21錠型Pillと28錠型Pillの違い】
21錠型Pill: 1日1錠3週間(21日間)実薬を服用して、1週間休薬するタイプです。

1シートが実薬のみ21錠です。
28錠型Pill: 1日1錠3週間(21日間)実薬を服用して、1週間休薬する代わりに偽薬を1週間服用するタイプです。

1シートに実薬が21錠と偽薬が7錠ついています。
価格は、21錠型も28錠型も同じです。

【1相性Pillと3相性Pillの違い】
1相性Pill: 3週間分の実薬が最初から最後まで全く同じ錠剤です。
3相性Pill: 3週間分の実薬が、前半、中間、後半と三段階にホルモン含有量が変わるタイプです。
1相性Pillも3相性Pillも、価格も効果もほとんど同じです。

 

【Pillのマイナートラブル】
Pill服用開始時期に、吐き気、不正出血、が少しあることがありますが、服用続けていると、2~3ヶ月で消失します。

【Pillを続けていると月経量が少なくなことがあります】
そして1週間の休薬期間中に月経が来ないことがあります。
月経が来なくも問題はなく1週間の休薬後の次のシートを開始して下さい。
2回(2周期)月経が来なければ念のため妊娠検査をしてください。

 

【Pillの重大なトラブル、血栓塞栓症】
起こる確率:(1人/1100人~1人/3000人)。血栓塞栓症はPill服用してない人でも1人/2000人~1人/10000人は起こります。
血栓塞栓症とは、血管内にカサブタの様な血の塊(血栓)ができて血管をふさぐ病気です。血栓は初め下肢の血管内にできて、そこから流れて胸の血管や脳の血管を詰まらせます。

起こりやすい時期:Pill服用開始後3~4か月以内が多です。最初の3~4か月位までは気をつけます。
起こりやすい状況:脱水状態の時、長時間不動(長時間じっと座っているとか,長期安静等)の時
症状:  下肢の痛み、胸痛、激しい頭痛、激しい腹痛、視野の障害

血栓症にはごく軽症から重症まであります。
症状があったら早めに内科又は外科を受診(症状が有ったら1~2日以内に受診すると殆ど問題なく対処できます)。受診時にはPill服用を告げてください。

 

【Pill服用してはいけない方】服用禁忌
35歳以上で喫煙1日15本以上の方
血栓症になったことがある方
心臓、肝臓、腎臓病のある方。
子宮癌や乳癌のある方
産後4週間以内の方
授乳中の方でまだ母乳を続けたい方。

 

産婦人科研修の必修知識’13、 ガイドライン婦人科外来編’14、 OC・LEPガイドライン’15、  産婦人科研修の必修知識’16~’18、 ガイドライン婦人科外来編’17、
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