50】子宮筋腫: ₀₁₎子宮筋腫(単に筋腫とも言いますが)とは、

子宮筋腫(単に筋腫とも言います)とは、

子宮の筋肉の一部が腫れて、コブ状=瘤状=球状の「しこり」ができることを言います。そのシコリの事を筋腫核とも言います。

原因は十分には解明されていませんが、最近では研究が進んできて遺伝子異常の関与も指摘されています。

筋腫の発生を増す要因は、初経が早い、未産婦、肥満、多嚢胞性卵巣症候群、糖尿病、高血圧、アルコール摂取

正常の子宮は、ナスや鶏卵の大きさで、下図のような形をしています。

 

筋腫核の個数
筋腫核が1個の事も、大小数個多発していることもあります。

    

正常子宮は、ナスや鶏卵大ですが、筋腫ができているため、子宮全体が大きくなっていることもあります。

   

 


筋腫核ができる部位(子宮体部、子宮下部、子宮頸部)

❶子宮体部にできる事が多いですが、❷子宮下部や❸子宮頸部にできることもあります。

         

 


筋腫核ができる部位
(子宮の外側、筋層内、内側)

<漿膜下筋腫>(しょうまくか)=子宮の外側にできる。
通常無症状です。不妊、流産、早産、難産、分娩障害の原因にもなりません。処置不要です。
1年毎位に診察して大きくなっていないかCheckします。
ただし、筋腫が大きい場合には、Ⓐさらに大きくなっていないか、Ⓑ悪性の様子はないか、©手術の必要性はないか、気を付けて定期的に診察します。

 

<筋層内筋腫>(きんそうない)=子宮の筋層内にできます。
筋腫核が子宮内(子宮内膜)に近い場合、「過多月経、生理痛がひどい、不妊や流産、早産や妊娠中のトラブル」等が起こる事があります
     

 

<粘膜下筋腫>(ねんまくか)=子宮内にできる。
過多月経となり、その為重症貧血、難治性貧血になる事が多いです。不妊の原因にもなります。その為ほとんどの場合、手術して筋腫切除します。
例外的に、閉経に近い方は手術せずに様子を見ることもあります。

 

 

筋腫核の大きさ
筋腫は初めは小さいですが、下の様に段階を経て、1~2~3年とか年単位で徐々に大きくなります。
筋腫があっても、あまり大きくならない方もいます。
子宮全体の大きさが鵞卵大以下、又は筋腫核が直径5㎝以下なら、定期的経過観察でOKです。
子宮全体の大きさが手拳大以上、又は筋腫核が直径5~6㎝以上では、手術を考えたり定期的経過観察もキッチリ行います。
新生児頭大になると、腹壁上からも筋腫を簡単に触れます。又膀胱や直腸への圧迫症状が起こります、又悪性が潜んでいる可能性もあるので手術を行います。

大豆大
指頭大
ピンポン玉大
鶏卵大
鵞卵大   ⇩
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手拳大・・・子宮全体が手拳大以上では、手術を考えたり定期的経過観察もキッチリ行います。
~~~~~~~
新生児頭大 ⇧
小児頭大
成人頭大

 

筋腫は30代に見つかる事が多く、40才に向かって年単位で徐々に大きくなります。稀に20才で見つかる事もあります。

月経がある間は年単位で徐々に大きくなりますが、閉経して女性ホルモンが少なくなると、小さくなります。

 

子宮筋腫(日本産婦人科医会H27)、 ガイドライン婦人科外来編’17、 ガイドライン産科編’17、 産婦人科研修必修知識’16~’18、 他

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