45】更年期: ₀₁₎年齢、徴候、症状
女性ホルモンの変化
40代後半から女性ホルモンが急激に減少します。
平均51才で閉経します。
閉経の年齢
閉経は50歳前後が多いです。
個人差が大きいので、早い方は45歳前に、遅い方は55歳近くで閉経します。
閉経が近い徴候
➀月経の乱れ:
月経が早く来たり遅く来たり、月経の量が多過ぎたり少な過ぎたり、月経が長過ぎたり短か過ぎたり、乱れながら閉経になります。中には突然閉経になる方もいます。
②閉経が近いかどうか、血液検査をすることもあります。血中FSHが25以上だと「閉経が近そう」とわかります。
血中FSHが40mIU/㎖以上、かつ、血中E₂(女性ホルモン)20pg/㎖以下だと閉経がほぼ確定します。
③「1年以上月経が無い」と閉経が確定します。
更年期症状
閉経の前4~5年、閉経後の4~5年、更年期症状が出る方がいます。更年期の症状が出ても閉経後4~5年で自然に治ります。
更年期症状が出る方と出ない方がいます。出る方の一部に症状が強い方がいます。
閉経近くで(50歳近くで)更年期症状が出てない方は、更年期症状が出ないで済むタイプと思われます。
仕事とか趣味に忙しく夢中になっている方は、更年期症状が出にくいです。
更年期症状が強くて、日常生活に差し支える場合を、「更年期障害」と言います。
更年期症状と点数による評価
0 ~25点 治療不要
26~50点 食事や運動や日常生活に気を付ければよいでしょう。気になる方は受診して下さい。
51 ~65点 ホルモン補充療法(HRT)で症状がすぐに良くなります。
66~80点 ホルモン補充療法(HRT)を長めに6か月以上する必要があります。
81~100点 婦人科でホルモン補充療法(HRT)を長めに6か月以上行います。その他に内科や精神科も一度受診していただきます。
✿ホルモン補充療法は、HRTとも言います。HRTとは、Hormon(ホルモン)Replacement(補充)Therapy(治療)の略です。
上記の更年期症状の解説
1「顔がほてる」: 顔が急にカァーとほてります。周囲の人が涼しい顔をしているのに自分だけがカッカと熱くなり、ほてったり、のぼせたりします。
2「汗をかきやすい」: 急に汗がタラタラと流れる様に出ます。周囲の人が涼しい顔をしているのに自分だけが汗が流れる様に出ます。
3「息切れ、どうきがする」: 急に心臓が躍る様に動悸を感じ胸がソワソワします。
8「頭痛、めまい」: 頭に何か載っているような、頭に何かかぶさっているように頭重感。めまいは宙に浮くようなフワフワした感じのめまいです。
10「肩こり」: 頭痛、頭重から続いて肩まで苦しくなる肩こりです。
閉経前、閉経時、閉経後に起こる症状
Ⓐ閉経前
月経不順・・・・生活に支障が無ければ治療は不要です。
Ⓑ閉経時
更年期症状(顔がほてる、異常な発汗、手足の冷感、動悸、寝つきが悪い、イライラ、不安、憂鬱、頭重、めまい)
・・・・ホルモン補充療法(HRT)でほとんどの方は、劇的に良くなります。ホルモン剤には内服、貼薬、塗り薬、注射が有ります。
・・・・それでも良くならない場合は、精神科の薬を併用することもあります。
・・・・症状が軽い場合は、漢方薬や代替療法(大豆イソフラボン等)することもあります。
©閉経後:女性ホルモンの減少による症状
1)外陰乾燥感、外陰部の痒み、性交痛、萎縮性膣炎
・・・・このような局所症状には、女性ホルモン膣錠を数日挿入すると劇的に良くなります。
2)女性ホルモンは生殖機能だけではなく、血液、血管、骨、皮膚、筋肉、脳などの全身に働いています。
女性ホルモンの減少により、血液異常(高脂血症)、動脈硬化、心筋梗塞、骨粗鬆症、皮膚の衰え(皮膚のコラーゲンの減少)、脳梗塞、肥満が起こりやすくなります。
・・・・女性ホルモン補充療法はこれらの予防になります。
ガイドライン婦人科外来編’17 産婦人科研修の必修知識’16~’18 産婦人科外来での鑑別診断の手順と薬物療法’15 ナイスミディ よくわかる更年期ガイド(NPO女性の健康とメノポーズ協会’14 ホルモン補充療法(HRT)のすすめ、日本産婦人科医会、自由企画出版’12 これってもしかして更年期?、水沼,久光製薬,’16 更年期応援ガイドブック,小山,久光製薬’18 女性ホルモンお役立ちメモ,石塚,久光製薬,’16
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