03】妊娠中期: ₁₈₎低置胎盤、辺縁前置胎盤、全前置胎盤

低置胎盤、辺縁前置胎盤、全前置胎盤
②~④の(胎盤の位置異常です)(胎盤の位置が低かったり、胎盤が子宮の出口を覆っている状態です)

正常の胎盤(正常の方):胎盤は子宮の出口(内子宮口)から離れていて、子宮の奥の方に付着しています。
赤ちゃんが生まれた後に、5分~10数分後に、胎盤が自然に剥がれて出てきます。

      

   

 

低置胎盤胎盤の位置がやや低く、胎盤の下縁が子宮の出口(内子宮口)に近く、子宮口からの距離が2㎝未満しかない場合。
✿経膣分娩だと少し多くなります。輸血がすぐできるように準備をしておいて、帝王切開することが多いです。

  

 

 

辺縁,前置胎盤胎盤の位置が低く、胎盤の辺縁が子宮の出口(子宮口)にしている場合。
✿経膣分娩だと出血が多くなります。輸血がすぐできるように準備をしておいて、帝王切開で娩出します。


 

全、前置胎盤胎盤の位置が低く、胎盤が子宮の出口(内子宮口)を完全に全部覆っている場合。
✿胎盤が子宮の出口を覆っているので、赤ちゃんが出て来られません。輸血がすぐできるように準備をしておいて、陣痛発来前に、帝王切開で娩出します。

 

全前置胎盤では、妊娠後期になると、突然の大出血が起こる事があり、急に入院や帝王切開が必要になることがあります。突然の大出血が起こる時期がまだ早産や未熟児の時期なので、その時は未熟児センターがある産婦人科で妊娠,分娩管理が必要になります。その為、あらかじめ(妊娠31週迄には)大学病院等に紹介します。

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胎盤の位置の診断は妊娠24週以降に行ないます。

妊娠の早い時期では正常の方でも前置胎盤の様になっています。経過を見ているうちに、妊娠週数が進むにつれて、妊娠24週頃迄には、胎盤の位置は上方に少しずつ移動してほとんどの方は正常になります

妊娠24週に胎盤の位置がなお少し低い方は、(24週以降であってもまだ少しは胎盤の位置が移動して正常に近づくこともあるので)、胎盤の位置が正常になるのか注意深く変化を観察します。

 

妊娠30~31週になってもまだ低置胎盤辺縁前置胎盤の方は、そろそろ輸血の準備を考えたり(帝王切開は妊娠37週以降にするのですが)帝王切開の準備をします。

全前置胎盤では、妊娠後期になると、突然の大出血が起こる事があり、急に入院や帝王切開が必要になることがあります。突然の大出血が起こる時期がまだ早産や未熟児の時期なので、その時は未熟児センターがある産婦人科で妊娠,分娩管理が必要になります。その為、あらかじめ(妊娠31週迄には)大学病院等に紹介します。

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03】妊娠中期: ₀₈₎早産とは、未熟児、生存率

早産とは、未熟児、生存率
妊娠21週までは流産です。
▲未熟児は生存できないので流産扱いになります。

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妊娠22週からは、
生存できることがあるので、早産扱いになります。しかし
この時期は児の死亡率は高いうえ、生存しても後遺症が残ることも少なからずあります。

 

未熟児センターの事をNICUとも言います。

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妊娠24~25週になると
生存率が上がってきます。未熟児の中でもまだまだ非常に小さい未熟児です。
下記の表は、未熟児センターのデータです。(表を2回クリックすると=ダブルクリックではなく2回クリックで=大きく拡大され文字がはっきり見えます)。

前記表:桐生厚生病院未熟児センター案内パンフレットより

 

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妊娠28週早産ですが、
大きめの未熟児になってきます。未熟児の生存率は高くなります。死亡率は低くなります。後遺症も少なくなります。しかし、
しかし、この時期の児は、大きめの未熟児とはいえ、まだまだ小さいので高度の未熟児センター(NICU)で治療する必要が
あります。

早産が確実な状況になった場合、母体搬送します。
生まれたばかりの超未熟児を未熟児センターまで搬送するのは危険なので、子宮内に胎児を入れたまま、母ごと「未熟児センターのある産婦人科」に母体搬送します。
・・・ただし、母体搬送する場合、受け入れ先病院の未熟児センターに空床がなければ、その産婦人科では受け入れません。「未熟児センターに空床がある、産婦人科」を探さなければなりません。
未熟児センター(NICU)が県内も他県も慢性的に満床の事が多いので、空床のある未熟児センターを探すのが難しいかったり、時間がかかる事があります。県でも遠方、又は県外の病院まで運ばなければならないことも少なくありません。

妊娠32週早産。
未熟児の中でも大きな未熟児(幼稚園の年長児の様に)となるので、通常の未熟児センターでも治療可能となります。
受け入れ可能な未熟児センターも多くなります。

妊娠34週早産。
ここまでの早産の場合は、まだ未熟児センターに搬送する必要があります。

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妊娠35週~36週まだ早産ですが、
大きな未熟児なので、通常の産婦人科でも管理できます。未熟児センターに搬送しなくて済みます。

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妊娠37週:からは正期産です。
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