04】妊娠後期: ₁₁₎胎児Check法(胎児が元気かどうか)

妊娠中,分娩前の胎児(元気かどうか)Check法 、
妊娠経過中は、胎児が元気かどうか、胎児の状態は悪くはないか、種々の方法でCheckします。特に妊娠後期には気を付けてCheckします。
胎児の状態が悪そうなら、お母さんは入院していただき、胎児の状態を毎日細かく詳しく観察します。本当に悪そうなら分娩誘発して早めに生ませるか、緊急帝王切開して娩出することもあります。

胎児の状態が良ければ、そのまま安心して自然経過を見ていられます。

 

1~5.で胎児の状態をCheckします。

NST(ノンストレステスト)(下記):
胎児の心拍数をモニターし、グラフ上に記録し、そのグラフから胎児の状態が良いか悪いかを判断します。

羊水量
超音波で羊水量をCheckします。羊水量が少ないと胎児の状態が悪いことがあります。羊水は胎児の尿なので、羊水が少ないと「尿の 出が悪くて胎児の状態は悪そう」と考えます。

胎児の体重増加:
胎児の
推定体重を計測して、胎児の体重増加が悪いとか、体重増加が止まっていると胎児の状態が悪いと考えます。

胎動
胎動が減少すると胎児の状態が悪い可能性があります。

5.胎児呼吸様運動
胎児が呼吸様運動しているかどうかを超音波で観察します。胎児が元気な時は、羊水中でも胸を動かし呼吸しているような動きを時々します。
空気の代わりに羊水を吸ったり吐いたりしています。常にしているわけではなく時々します。
呼吸様運動している時は胎児は元気です。

超音波で、臍帯動脈や大脳動脈の血流や血管抵抗を測定し胎児の状態を判断することもあります。

1~6の検査で胎児の状態が良ければ、胎児は元気で、安心してそのまま自然経過を見ていられます。

 

 

.NST(ノンストレステスト)とは:・・・・(次のカテゴリーにも記載されています)

胎児の心拍数をモニターし、グラフ上に記録し、そのグラフから胎児の状態が良いか悪いか判断します。

胎児の心拍数は、通常1分間140です。
児心拍数が110~160の間(水色の範囲)にあれば正常(元気)です。

胎動があると、児心拍数は走った後の様に一時的に増加します。胎動に伴う児心拍数の一時的な増加がある時は、胎児の状態は正常(元気)です。

児心拍の線をよく見ると、心拍数に常に6~25/分の細かな変動(細変動)(グラフ上でギザギザ)があります。細変動がある時は、胎児の状態は正常(元気)です。

NST(ノンストレステスト)が良ければ胎児は元気で「数日以内の胎児死亡」はなさそうです。            産婦人科ガイドライン’14
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03】妊娠中期: ₁₁₎母、妊娠中の体重の増え方、推奨体重増加量、体重の戻り方

母の推奨体重増加量

分娩までにどのくらい体重が増えたら良いのか、推奨体重増加量は、妊娠前の体型によって異なります。

推奨体重増加量とは、「そこまで増えて良い」という限界の体重ではなく、「そこ迄増えることを推奨します」という体重です。全員がピッタリそこまで増えるわけではありませんから、大体その近辺ならOKということになります。


飯能市の母子手帳p64を参考にしてください。

 

まず妊娠前の、BMI(肥満度とか体型を示します)を計算します。

BMI=体重(kg)÷身長(m)²    この式で計算します。 

例 : 体重50㎏、身長1.52mの方は、BMI=(50)÷(1.52)²、(BMI=50÷1.52÷1.52でも構いません)。BMI=21.6で、下記の「普通」体型に相当します。

 

 

推奨体重増加量 39週までの推奨体重増加量

BMI<18.5 :        低体重(やせ) 
やせ型の方は、妊娠39週迄に、12㎏の増加が推奨されます。

★★痩せの方は十分体重増加した方が良いです。痩せの方は特に十分体重増えないと、胎児発育不全になり低体重児ができやすくなります。

 

18.5≦ BMI <25.0 : 普通      
普通の体型の方は、妊娠39週迄に、7~12㎏の増加が推奨されます。

普通の体型の方の中でも、
肥満に近い(BMIが25.0に近い)方は7㎏
痩せに近い(BMIが18.5に近い)方は12㎏、の増加が推奨されています。

 

25.0≦BMI :            肥満 
25.0≦BMIは、軽度肥満です。この方は、妊娠39週迄に、約5㎏の増加が推奨されます。

30.0
≦BMIは、中等度肥満、更に少ない体重増加が推奨されます。
35.0≦BMIは、 高度肥満です、更に更に少ない体重増加が推奨されます。体重は殆ど増えなくても良いくらいです。

            飯能市母子手帳p64

 

 

 グラフは母子手帳より 

★★妊娠中の体重の増減が異常発見の手掛かりにもなります。
普段の体重を0として、その後の体重の増減を記入します。

妊娠中の体重増加曲線。体重の増え方をグラフに記入します。ピッタリ推奨体重通りに増えるわけではありませんから、かなり前後しても大丈夫です。推奨体重より極端に外れると困ります。

 

 

体重が増え過ぎると、
1)巨大児ができやすい、
2)産道が硬くなり難産になり易く帝王切開にもなり易い、
3)体重増え過ぎていると帝王切開もやりにくいし、手術による合併症おきやすくなります。
4)妊娠高血圧も起こりやすくなります。

 

体重の増え方が悪いと、胎児発育不全となり、低体重児ができやすくなります。特にやせ型のお母さんの場合小さな児ができやすいです。

 

                                            
体重増えすぎて困る場合は
カロリーを制限します。 運動⛹では、なかなか体重減りません。

 単なるカロリー補給はしない、又は単なるカロリー補給目的の食べ物は控えます(ポテトフライ、ポテトチップス、菓子パン、ケーキ、クッキー、カップラーメン等は単なるカロリー補給です。)
例えば、「カップラーメン1杯330Kcal」は、「納豆100Kcal×2個、卵80Kcal×2個」とほぼ同じカロリーです。

朝食と昼食は十分食事をとって良いですが、夕食控えめに、9時以降は食べないか食べるとしてもわずかに夜食も食べないか食べるとしてもわずかに

        【食品80キロカロリー,ガイドブック】’07、【MaternityTextBook】’16、【カロリー早わかりBook】’14   

低カロリー、高蛋白、無~低糖質、無~低脂肪乳の食品については、次の03】妊娠中期:₁₀₎体重が増え過ぎて困る時の食事を御参考にしてください。

 

産後の体重の戻り方(減り方)
出産直後は、4~5㎏すぐに減ります。
産後1か月健診時には、出産直前から比べ5㎏位減ります。
それからは徐々に減って産後6か月くらいで妊娠前の体重に戻ります。
産後、体重の戻り方が悪い方がいますので御注意ください。

       飯能市母子手帳p64
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