07】新生児: ₁₃₎聴覚検査(聴覚障害,難聴の有無の検査)

新生児の聴覚検査
(聴覚障害,難聴の有無の検査)(出生直後の入院中に行ないます)
聴覚障害は、1~2人/1000人中の割合で起こります。

聴覚障害の早期発見が必要です。
聴覚障害,難聴は自然の状態だと2歳位迄わからないことが多く、発見が遅れがちになります。
自然の状態では聴覚障害は、下記の状態で気づきます。
話しかけた言葉に対する反応が悪い、
言葉の発達が悪い、
コミュニケーションがとりにくい、
聴覚障害の発見が遅れると、言葉の発達が遅れたりコミュニケーションがとりにくくなる等、支障が起こります。
本当に聴覚障害(難聴)がある場合は、生後3か月位から補聴器を使用します。
早期から補聴器を使うことで、音や言葉が覚えられて、言葉の発達やコミュニケーションが良くなります。

聴覚障害の程度、種類
聴覚障害と言っても、ごく軽度~中等度~重度があります。
片耳の場合と両耳の場合があります。
特に両耳に聴覚障害がある場合は、早期から補聴器を使用します。
片耳の聴覚障害の場合は、音は聞こえるので、言葉の発達の遅れはありません。しかし良い方の耳も6か月毎位に定期的に診察を受けることをお勧めします。


聴覚検査の実施
新生児聴覚検査は出生直後の入院中(又は生後1か月以内)に行います。
検査は赤ちゃんが眠っている間に、音を聞かせてその反応を記録する方法で行います。数分~10分位で終わります。
正常と結果が出ればそのままでよいのですが、
異常(反応なし)と結果が出た場合は、再検査を繰り返します。何度再検査をしても異常(反応なし)と結果が出る場合は大学病院の耳鼻科に紹介しそこで精密検査をしていただきます。
生まれたばかりの赤ちゃんは、耳垢あるいは耳の中に羊水が残っている等で正しい反応が得られないことがあります。再検査をしているうちに正常になることがあります。

早産児の場合は、修正36週(36週相当に発育した時点で)以降で入院中に検査します。

聴覚検査正常の児でも、偽陰性(本当は異常なのに間違って正常との結果が出てしまっている)のことがあるし、又その後に進行する進行性聴覚障害等は発見できないので、その後も下記の【目安】を用いて、聴覚と言語の発達に注意して下さい。

 

【赤ちゃんの聴覚と言葉の発達の目安】・・・・厚生労働科学研究(子ども家庭総合研究事業)より
(この目安より遅れているようでしたら注意します)(言葉の発達には、早い遅いの個人差がありますが)
生後3か月頃
①突然の音に驚く
②聞き慣れた声や音を聞くと静かになる
③話しかけると、アーとかウーと声を出して喜ぶ
生後6か月頃
①母親の声と他人の声を聴き分ける
②名前を呼ぶと振り返り、呼ばれた方を見る
③人に向かって声を出す
④「マーマー」「キャーキャー」などという
生後9か月頃
①「バイバイ」がわかり、身振りのまねなどをする
②「・・・どこ?」と聞くと、そちらを見る
③「ダメッ」と強い調子で言われると、手を引っ込める
④「ダッダッ」「バババ」等の喃語(なんご)を話す。
生後12~15か月頃
①「ちょうだい」「ねんね」「おいで」などの簡単な指示に従える。
②意味のある単語を2~3語言える

 

産婦人科医会聴覚検査Q&A,HP.’12,   飯能市母子手帳’16、p72、  【新生児聴覚スクリーニング検査のご案内】小冊子、埼玉県保健医療部健康づくり支援課、  日本産婦人科医会報’15
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